ずっと食の仕事をしていると、色々思うこともありまして。

ふと、賞味期限なんて、自分で判断出来るんじゃないかな、食べられるのに捨ててる事多くないかなと思ったので、以前の会社であったこと、今扱っている発酵食品の事を含めて考えてみました。

 

賞味期限と消費期限

パッケージ食品には「賞味期限」と「消費期限」があります。

賞味期限」は、基本的に長期保存加工された食品につけることが義務付けられていて、メーカーサイドから「美味しく食べられる期間」として表示しています。

消費期限」は、主に日配品と呼ばれるお弁当やお惣菜など、長期保存加工されない商品に記載され、これはこの日時を過ぎると細菌汚染による腐敗が心配なので、過ぎたら食べないでね、という期間です。

大丈夫なのか!?ダメなのか!?

昔の人は、自分の目と舌と鼻で判断していたように思うのですが。

日本人の「おもてなし精神」が、素晴らしい商品を作ってきました。品質も世界一。

だけど、やり過ぎかなと思うようなパッケージは、ゴミを増やすだけのような気もしてしまいます。

 

必要な分を必要なだけ注文する。

一番良いのは「サザエさん」だと思っていて。

必要なものを聞いてくれて、必要な分だけ持ってきてくれる。

三河屋のサブちゃん的存在が、あらゆる食材でシステム化すれば良いのにと思うのです。

お豆腐もお肉も牛乳も、必要な分だけオーダー出来て、家の蓋つき容器に入れてってくれるなら、プラゴミも出なくなるのにな。

必要な分しか注文しないから、賞味期限も気にすることなく、廃棄も減るんじゃなかろうか。とか。

 

酒粕に賞味期限はあるの?

実は私たちの愛する食材「酒粕」は、賞味期限があるような無いような、という食品。

 

基本的には賞味期限を記載しなくてもよい素材です。

 

酒粕そのままではアルコールが10%前後含まれている為、余計な菌を寄せ付けません。

なので発酵することはあっても、変な菌で腐るということは起きにくいのです。

 

そして、私たちが作っている「乳酸菌発酵酒かす」は、そのアルコールを抜いてしまうのですが、乳酸菌によって乳酸が作られるためpHがとても低くなり、ヨーグルトよりも更に低い3.80程度まで下がります。

こうなると食品の中でも一番怖いとされる「ボツリヌス菌」も繁殖が不可能な状態になり、非加熱でも比較的安全な食材と言えます。

ただ、酒粕は発酵食品ですので、じわじわと発酵や変性が進んでいきます。

これを「変敗」と呼ぶのか「発酵」と呼ぶのか。

酒粕の賞味期限。発酵食の力を半減する社会ルールと自己判断。

好きか嫌いか、って言うところも関係してくると思うのですが(笑)

実際、手作りしたジャムだったり、塩漬けだったり、オイル漬けなんかは、上手に作ると2~3年くらい全然大丈夫だったりします。

かえって味がこなれてきて、すごく美味しくなったり。

何でも賞味期限という枠で囲い過ぎてしまって、それを過ぎたらもうダメみたいな考え方ではなく、美味しく食べられる期間に食べきれる量だけを買う、発酵食品の特性を知って発酵した状態もおいしさを知ることで、賞味期間は自分である程度決められる食材ってあるんじゃないかなと思ったりするわけです。

 

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