食の欧米化が悪いって言っているわけではなく。
いろんな地域の食が持っているアイデンティティってあってよいので、おしゃれイタリアンとか、タピオカミルクティーとかもアイデンティティとして認めた上で。
でもやっぱり、お母さんの味噌汁に白いご飯、ばあちゃんの漬物って脳ミソしびれるくらい美味くて涙出そうになったりしませんか!?
日本人なので、そのアイデンティティを大事にしたいなと思っています。
結局我が家の味がホッとする、ってみんなそれぞれあったりしますよね。
そしてそれは、お国柄もあります。
だから食文化って、いろんな国が違って、環境や文化の違いが出たりしてちょっと掘り下げてみてみると面白かったりして、いろんな食の裏にある「へぇ~」を集めてみたくなります。
酒粕のある食卓。
酒粕は、新潟に住む私にとって「いつも冷蔵庫にある」存在でした。
母から粕汁を冬につくってもらって、あの中に入っているトロトロの白菜だったり、ほろほろ崩れる鮭が美味しかったな。
あと、新潟の郷土料理「煮菜(にな)」。
これが信じられないくらい飯泥棒。
これは長岡の伝統料理で、秋に収穫する「体菜(たいな)」という、1m以上も伸びる大きな青梗菜のような郷土野菜があります。
冬の野菜不足を解消するために、雪国新潟では雪が降る前にこの体菜をしっかりと塩漬けします。
かなり強く漬けるので、戻すときは茹でて一晩水に浸け塩出しをします。
塩で漬け込むから乳酸菌発酵していて、旨味がすごい。
ですから、味付けは煮干しだし(鰹の人もいれば、合わせだしを使う人も)と、ほんの少しの味噌(入れない場合もあれば醤油という人も)、もう一つ忘れちゃいけないのが打ち豆。これ重要食材です。
そして最後に溶いた酒粕です。
こういった伝統料理も、時代とともに作ったことがない人の割合の方が多くなり、やがて食文化とともに素材も需要が無くなっていきます。
こうした流れで、新潟でも酒粕を使ったことがないという人も珍しくありません。
この煮菜のように、各地に残る伝統的な食べ方で酒粕を使った料理が存在するのですが、伝承がなければ食卓からきえてしまうのですよね。
みなさんの町の酒粕料理も、是非教えてください。
発酵はブームか?
酒粕の商品開発を続けていると・・・
「うちも何か新しい事をしたいんです!」というご相談を頂く機会が増えました。
これは、酒蔵さんや食品メーカーさんだけでは無く、小売の世界にも広がっています。
今まで考えられなかったような有名な施設からも「発酵」をフロアに取り入れたいというお話を頂くようになりました。
実際、「発酵」ということばは「糀」とともに、まるでブームのように日本中に浸透していきました。
『現代人の慢性的な体調不良を劇的に改善するのは、まさに日本に昔からある「発酵」のチカラです!』とメディアでも特集が組まれるほど。
ブームではなく、「戻った」のだと思っているのですが、それでもおばあちゃんの作っていた、お母さんが受け継いでくれた郷土料理が、私たち世代で引き続き作られているのかというと、ちょっとそれは違うようです。
酒粕を使った商品と、作り手の想い。
先日、とある粕漬け屋さんからご相談がありました。
「昔と違って、粕漬けが食卓に上がる事が少なくなったんです。」
パッケージを変えたり、洋風の粕漬けを作ったりと工夫していますが、それでも中々若い方の購買に繋がらないのだとか。
「売上をあげたい」のは、メーカーですから当たり前のことで。
「こんなに美味しいのに、こんなに体にいいのに」と言う思いももちろんあります。
でも選ばれないのは、きっとそこに理由があって。
「日本の伝統なんだから、食べなくちゃいけません」って言う押し付けがましいのは違うんだろうなぁと思います。
昔はこうだったんだから有無を言わさずこうしなさい、というふうに聞こえてしまうと、どうしてもそちらにはなびかないもの。
酒粕シェイクが発酵食を繋ぐ。
発酵って体に効きそうだけど、どうやってたべたら良いか分からない。
が、今の普通。
それはそれで、受け入れなければならない。
郷土料理作れません!
だから何!?
で普通な訳です(笑)
だったら、受け入れてもらえる変化を何度も繰り返さなくちゃいけないなぁ。と言うのが私達の考え方。
酒粕ジェラートから始めて、今は酒粕シェイク。
お店にはシェイクを求める多くのリピーターさんも居てくれて、きっとライフスタイルにあった酒粕の取り入れ方として生き方に会う人なんだろうなと思います。
そしてこれから始めたいのは、酒粕スムージー。
果物たっぷり、野菜も加えたり、朝ごはんがこの一杯で始まるような、家族みんながヤクルトやコーヒーを飲むように、習慣にしたくなる存在になりたいなぁと思います。
変化、大事。
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